オランダ物質基礎研究所(FOM)の研究チームは、大強度のプラズマ条件下でもグラフェンやカーボンナノチューブ(CNT)などのナノ構造が成長することを実証した。通常ナノ材料の成長に使用されるプラズマCVDより1万倍も強力な核融合炉研究用のプラズマを使用しても、ナノ構造の成長が可能であるという。2013年11月28日付けの Carbon論文が掲載されている。

核融合炉研究用の大強度プラズマ下で成長したナノ構造 (Credit: K.Bystrov/DIFFER)


 オランダ基礎エネルギー研究所(DIFFER)のリニアプラズマ発生装置 Pilot-PSI を使用して実験を行った。Pilot-PSI は将来の核融合炉の壁材料をプラズマに暴露するために設置された施設。炭素源とともにタングステン、モリブデン、グラファイトなど様々な材料をプラズマに暴露した。その結果、多層CNT、超長尺CNT、カリフラワー状の構造、グラフェン層といったナノカーボン構造を得たという。

 プラズマCVDに使用される低温プラズマは非熱平衡状態にあり、プラズマ密度や炭素源の量などによって生成されるナノ構造が決まる。一方、高温プラズマは熱平衡状態にあることから、低温プラズマの場合とは違った特異な構造が得られると考えられる。

 「激しい粒子衝突が起こる核融合炉壁のような条件で、デリケートな構造が生じ得るということに驚いた」と研究チームのFOM教授 Kirill Bystrov 氏はコメントしている。

(発表資料)http://bit.ly/IF3rHz