ノースウェスタン大学の研究チームが、カーボンナノチューブ(CNT)およびニ次元系材料二硫化モリブデン(MoS2)を用いたpnヘテロ接合ダイオードを作製した。原子レベルの薄膜材料でpn接合ダイオードを形成することにより、デバイス特性を電気的に調整・カスタマイズできるようになった。2013年10月21日付けの米国科学アカデミー紀要(PNAS)に論文が掲載されている。

単層CNT/単層MoS2によるpnヘテロ接合ダイオードの顕微鏡像とその作製プロセス (Source: arXiv.org)

 過去10年間にグラフェンなどニ次元系材料の単離技術が進んだことで、2種類以上の二次元系材料を積層して高性能な超薄膜デバイスを形成する研究に注目が集まっている。しかし、最も重要な電子デバイスの構成要素の1つであるpn接合ダイオードについては、これまで報告されていなかった。

 研究チームは今回、半導体型単層CNTをp型半導体材料として、単層MoS2をn型半導体材料として用いたヘテロ接合を形成し、その電気特性をゲートバイアス電圧によって調整することに成功した。論文によると、絶縁状態から順方向/逆方向バイアス電流比104超までという広い範囲で電荷輸送の挙動を調整できたという。

 また、pnヘテロ接合ダイオードには、光に対する感度が高いという性質もある。研究チームは、この性質を利用して、波長応答性を電気的に調整でき超高速動作が可能な光検出器も作製・実証している。論文によると、この光検出器の外部量子効率は25%で、15マイクロ秒未満という光応答速度を実現しているという。

(発表資料)http://bit.ly/18RLeAp