マンチェスター大学の研究チームは、腕時計ブランド Richard Mille および マクラーレン・ホンダ と共同で、グラフェン複合材を用いた世界最軽量の腕時計「RM 50-03」を開発した。製品は、スイスのジュネーブで開催された国際高級時計見本市「SIHH」で披露された。

グラフェン複合材を用いた腕時計(出所:マンチェスター大学)

 腕時計の精密かつ繊細な機械機構を保護する外装ケースとしてグラフェン複合材料「Graph TPT」を採用した。同材料はこれまで腕時計の外装に使われてきた各種材料と比べて軽量であることが特徴。

 グラフェン材料の採用とともに、マクラーレン・ホンダのF1カーで使われているV字型サスペンション構造を取り入れることによって衝撃耐性を高め、これまでにない軽くて丈夫な腕時計を実現した。

 腕に巻くストラップ部分のゴム素材にもグラフェン複合材が添加されている。これにより、ストラップの機械強度と耐水性を向上させた。腕時計全体の重量は40グラムと軽く、同時に極めて丈夫で傷のつきにくい耐久性の高い製品となっているという。

 マンチェスター大学の研究チームは、この腕時計のための様々な部品製造を支援。X線トモグラフィやラマン分光法などの手法で部品のマイクロ構造を分析し、その機械特性の詳細な評価を行った。

 研究チームの Robert Young 教授は「腕時計の外装材にグラフェンを加えることで部品性能が向上することを示すことができた。設計を改良することで、将来的には腕時計のさらなる軽量化も可能だろう」と話している。
 
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