ライス大学の研究チームは、グラフェンとカーボンナノチューブ(CNT)のハイブリッド材料を用いて、フレキシブル色素増感太陽電池の新規陰極を開発した。白金電極の低コストな代替品として期待される。2014年10月31日付けの Journal of Materials Chemistry A論文が掲載されている。

試作した太陽電池セル(出所:ライス大学)

 グラフェン-CNTハイブリッド体は、2012年にライス大学の化学者 James Tour 氏が作製に成功したもので、グラフェンとCNTが継ぎ目なく接合された構造を有している。グラフェン-CNTハイブリッド体は、ニッケル基板上に直接成長させることができるため、ニッケルを電極として用いる色素増感太陽電池に適した材料であるといえる。

 また、グラフェン-CNTハイブリッド体と電解質との接触抵抗が低いことも、色素増感太陽電池の材料としての利点といえる。新規陰極の電荷移動抵抗は、白金を用いた陰極に比べて、20分の1程度まで低くなっているという。

 ハイブリッド体は2000m2/g程度という巨大な表面積を有している。これによって、電解質との接触機会が増え、高い電子伝導パスが得られる。

 研究チームは、CNTを長さを様々に変えて、太陽電池セルの試作を行なった。CNTの長さは最短のもので20~25μm(成長時間4分)、長いもので100~150μm(成長時間1時間)となっており、長いCNTほど太陽電池の性能がよくなった。最良の試作セルでは18mA/cm2程度の電流密度を実現し、白金を用いた比較用セルの14mA/cm2を上回った。

ライス大学の発表資料