岡山大学の仁科勇太助教の研究グループが、グラファイトから酸化グラフェンを合成する工程の時間短縮化に成功した。これまでは9時間以上かかっていたが、5時間以内にできるようにした。使用する薬品の量も半減するため、大幅なコストダウンが見込める。酸化グラフェンは触媒、各種電池材料、大型ディスプレイなどへの応用が期待されている。同グループでは、今後大量生産技術の確立をめざすという。

溶液に分散させた酸化グラフェンのサンプル(出所:岡山大学)

 グラファイトにマイクロ波を当てて構造をわずかに変化させることで、酸化されやすくなるようにした。従来は、グラファイトに直接硫酸などの酸化剤を反応させていたため、酸化に時間がかかっていた。今回開発した技術により、これまで50%程度だった酸化グラフェンの収率が最大90%に向上した。実験では10g以上のグラファイトを一度に酸化することに成功している。2012年12月末に詳細が特許公開された(登録番号:特許第5098064号)。
 酸化グラフェンは応用例が広く、アメリカ、中国、韓国など海外を中心に研究が進められている。液体のように扱うことが可能であり、他の物質と反応する部位が多いため、複合化によって触媒や電極にも利用することができる。グラフェン材料を触媒担体として用いることで、貴金属使用量の低減や、貴金属フリーの導電材料の実現が期待されている。今回の技術により、酸化グラフェンの大量合成が可能になり、こうした用途への応用が加速するとみられる。

(発表資料)http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id12.html