NEDO、ナノ炭素材料を用いた革新的省エネ部材開発への助成事業を開始(2015/06/30)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ナノ炭素材料を利用した環境調和型エネルギーデバイスや超軽量導線など省エネ部材の実用化を加速するため、新たに6つの助成事業を開始する。

スタンフォード大、炭素だけでできたオールカーボン太陽電池を開発(2012/11/05)

 スタンフォード大学の研究チームが、光電変換層、電極部などすべての要素を炭素材料だけで構成したオールカーボン太陽電池を作製したとのこと。変換効率はまだ低いが、地球上に豊富に存在する安価な資源である炭素だけで作られた太陽電池として注目される。超高温など苛酷な環境下で使える可能性もある。2012年10月31日付の ACS Nano オンライン版に論文が掲載されている。 (つづき)  光電変換層に炭素材料を使った太陽電池は、これまでにもいくつか報告されてきた。最近では、2012年6月にMITが単層カーボンナノチューブ(SWCNT)とフラーレン(C60)でpn接合を形成したカーボン太陽電池を作製。このときの変換効率は0.1%だった。電極部はITOと銀電極を使用していた(既報)。  今回スタンフォード大のチームが報告した太陽電池は、光電変換層に加えて電極部にも炭素材料を使用したオールカーボン製であることが特徴。光吸収層およびドナー層には、有機半導体高分子(P3DDT)によって整列させた半導体型SWCNTを使用。アクセプタ層にはC60を使用し、SWCNT/C60の二層による光電変換層を形成した。電極部は、酸化グラフェン還元物(rGO: reduced graphene oxide)のアノードと、n型ドープされたSWCNT薄膜のカソードで構成した。  電極まで炭素材料を使うオールカーボン太陽電池の変換効率は、近赤外光照射時に0.0041%と現状では極めて低い値にとどまっている。電極を標準的な太陽電池で使われるITOと銀電極にした場合の変換効率は、近赤外光照射時に0.13%、AM1.5ソーラーシミュレータの下で0.46%と報告されている。  研究チームは現在、オールカーボン太陽電池の変換効率を向上させる方法について検討している。rGO電極については、より平滑で導電性の高いグラフェン薄膜に替えることで集電能力とデバイス再現性の向上が期待できる。また、rGO電極は光の透過性もあまり良くないため、より透明度の高い材料にすることでさらにデバイスの性能は上がるという。SWCNT電極と光電変換層との接触界面の平滑化によっても、デバイス性能の大幅な向上が見込まれる。近赤外光だけでなく可視光領域も含む広い範囲の波長を吸収できるナノ炭素材料の実験も行っている。こうした改善を重ねることによって、オールカーボン太陽電池の変換効率を1%超に上げることが可能であると研究チームは考えている。  「炭素材料は非常に強靭であり、華氏1100度(約593℃)の気温下でも安定している」とスタンフォード大の化学工学教授 Zhenan Bao 氏は指摘する。このため、オールカーボン太陽電池には、高温条件や強い物理的負荷がかかる極端な環境下で使用できるという利点もあると考えられる。 (発表資料)http://bit.ly/Tg2iGr

カーネギー研究所ら、高硬度の炭素構造を新発見。結晶とアモルファスのハイブリッド材料か(2012/08/27)

 カーネギー研究所 Lin Wang 氏らの研究チームが、非常に硬度の高い炭素材料を新たに発見したとのこと。ダイヤモンドへ刻み目をつけることが可能な硬さであるという。2012年8月17日付の Science に論文が掲載されている。  研究チームは今回、フラーレン C-60 と有機キシレン溶媒を混合し、ダイヤモンドアンビルセルと呼ばれる装置を使って加圧。圧力の違いによって材料構造にどのような変化があるかを調べた。比較的低い圧力では、フラーレンのカゴ状構造が維持されたが、圧力を高めるとこの構造が壊れはじめ、アモルファスな炭素クラスタへと変化した。ただし、これらのアモルファス・クラスタはもともとの部位にとどまることで、格子構造を形成しており、結晶の長距離秩序が維持されているという。  この新構造は、大気圧の32万倍程度という高圧条件下で形成され、圧力を下げた後もフラーレンのカゴ状構造に戻らなくなる。高圧を作り出すためのダイヤモンドアンビルに刻み目が入るほどの高い硬度を持っており、工業分野での様々な応用が期待できるという。 (つづき)  新構造を形成するために使われた溶媒を熱処理によって取り除くと、周期的な格子構造は失われる。このことは、新構造への化学的転移を保持する上で、溶媒が重要な役割を果たしていることを示唆している。今回使われたものとよく似た溶媒は多数存在しており、それらを使って高圧をかけることにより、炭素の格子構造が少しずつ異なる様々な材料が作れる可能性があるという。  炭素材料には、原子配列に繰り返しパターンが見られる結晶材料と、そうしたパターンが見られない(長距離秩序を持たない)アモルファス材料があるが、結晶とアモルファスのハイブリッド材料はこれまでのところ見つかっていない。Wang 氏は、「今回発見された新構造がそうしたハイブリッド材料の最初の例になるかもしれない」と話しており、特性の詳細な分析を進めたいとしている。 (発表資料)http://bit.ly/NyvIRS

MIT、近赤外光で発電できるカーボン太陽電池を開発(2012/06/25)

 マサチューセッツ工科大学(MIT)が、炭素材料だけで光電変換層を構成するカーボン太陽電池を開発したとのこと。太陽光に含まれる近赤外光はエネルギーが低く、従来のシリコン太陽電池では電気に変換することができなかった。地上に到達する太陽光の波長のうち40%程度は近赤外の領域にあるため、これを発電に使えるようになれば、太陽光エネルギーの有効利用拡大につながると考えられる。Advanced Materialsに論文が掲載されている。  今回のカーボン太陽電池は、カーボンナノチューブ(CNT)とフラーレンC60だけで構成されている。CNTを使った太陽電池はこれまでにも報告があるが、CNTの支持体として、またCNTの光電変換によって生成された電子を電気エネルギーとして取り出すために、高分子層が使われていた。このため製造プロセスが複雑になり、高分子層が空気に曝されて劣化するのを防ぐための特殊なコーティングも必要だった。これに対して、炭素材料だけでできている今回のカーボン太陽電池は空気中でも安定であるという。 (つづき)  カーボン太陽電池が可能になった理由の1つとして、ここ数年でCNTの高純度化技術が進展したことが上げられる。研究チームのメンバー Rishabh Jain氏へのメール取材によると、今回のカーボン太陽電池で使われているCNTはすべて半導体型の単層CNTであり、さらにCNTの巻き方についても、電子的特性が同じになる2つの対称的な巻き方(右巻きと左巻き)のうち、どちらか一方に揃えた状態で巻かれているという。  異なる巻き方が入り混じったヘテロジニアスなCNTや、単層CNTと多層CNTが混在した材料では変換効率が上がらないか、太陽電池としてまったく機能しないことが分っている。CNTの組成を均質(ホモジニアス)にすることで、光電変換機能を持つカーボン太陽電池が可能になったと考えられる。  カーボン太陽電池と従来のシリコン太陽電池を積層したタンデム構造にすることで、太陽光に含まれるほとんどすべての波長の光を電気エネルギーに変えることができるようになる。CNTの光吸収性が極めて高いため、太陽電池の作製に使われる高純度CNTは比較的少量で済み、完成品を非常に軽量化することができる。  カーボン太陽電池の変換効率は現状では0.1%と低く、コンセプトを実証した段階にとどまっているが、変換効率を上げていくための開発方針はすでに分っているとのこと。研究チームでは現在、カーボン層の形状や膜厚をより精密に制御する方法などを研究しているという。他の研究グループにも協力を呼びかけ、変換効率の向上をめざすとしている。  ただし、チームリーダーのMIT 化学教授 Michael Strano氏は、既存の太陽電池で使われていない近赤外領域の波長を利用できることから、変換効率の低い現状のカーボン太陽電池であっても低コストであるかぎり利用価値はあると指摘している。 (発表資料)http://bit.ly/KPn00m

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